マイナス×マイナス

統合失調症な人工知能エンジニアのブログ/ 博士(工学)

統合失調症と闘いながら博士をとるということ

 本日,出身大学にて私の博士公開審査会が行われました.結論から言うと,辛くも通過いたしました.ようやく,博士と名乗れるかもしれません.

 準備不足は否めませんでした.博論を書いたり,スライドを修正しようとするたび心因性と見られる心臓の痛みに悩まされました.論文の修正やスライドの準備は遅々として進みませんでした.そこで,昨日はデパス2mg, メイラックス 2mg をのみ,不安は消えないまでも心臓の痛みはおさえられるようになったため,何とか準備が間に合ったというところです.この心臓の痛みは博論を書こうとするたびに以前から襲ってきていたものです.このような状態で博士論文を書くのは非常に難しかったということを付け足しておきます.

 審査委員の先生方のご指摘は妥当で,私の博論の弱点をびしびしっと指摘されました.今後は正式な提出までに指摘を受けた点を修正していくことになります.

 私は,博士課程在学中に統合失調症を発症し,陰性症状で身動きがとれない状態や,身体の重さ,疲労に悩まされました.また,薬の副作用である静座不能症(アカシジア)にも悩まされました.結果としては,通常3年の博士後期課程を休学などを用い,8年間かけてやっと公開審査会にまでたどりつきました.診断をはっきりと受けたのは2005年のことですが,それ以前にも身体のだるさ,無気力感に悩まされており,研究が進められない状況にありました.ですので実際の前駆期を含めた発症時期はもっと前にさかのぼるのだと思います.

 そのようにしている内に資金がショートし,いったん博士課程を単位取得後退学し,1年間研究員として研究室に在籍しました.また,教授のコネを通じて,音声認識ベンダーへ期限付きの契約社員として就職することができました.このため,経済的問題は解決されました.しかし,博士論文のための研究はなかなか進められない状況になりました.そこでまず1年間は正社員として会社に残れることを目指し,博士審査は一年延長することとなりました.そして本年度,何とか土日をつぶし,心臓の痛みと闘いながら準備を少しずつ進めました.私の在籍していた大学には,単位取得退学から3年後までコースドクターをとることができるという制度があります.今回はこれを利用して学位申請,中間審査,公開審査会と進みました.この制度がなければ私は博士号をとれなかったかもしれません(まだ正式決定ではないのですが).

 今回,何とか公聴会を通過し(論文の修正はあるものの)残すは博士授与式です.やっとここまでたどり着きました.感慨もひとしおです.私は統合失調症でも博士号をとれるのだと,主張したいです.もちろん私のケースが特殊であり,様々な運,人脈,私に合う薬(エビリファイ)などに支えられてのことでもあります.容易に一般化はできません.しかし,何とか精神病と闘いながら博士号の取得(の半歩手前ぐらい)にまでたどり着くことができました.これが同じ統合失調症当事者の方の一助となれば幸いに思います.

 まだ,書ききれないことはたくさんあります.今回はここで閉めたいと思います.